メインテーマ：

一歩先を見すえた臨床看護マネジメント　

～　医療・社会保障制度改革を理解し、組織のあるべき姿を考える　～

　平成29年度臨床看護マネジメント学会学術研究大会を別添の通り２月19日に開催することと致しました。事務局移設に伴う諸手続き準備のため３月を予定されていた会員の皆さまにはご迷惑をお掛けいたしましたことお詫び申し上げます。
　当学会は平成20年11月に、臨床家による臨床家のための臨床看護の方法論を確立することを目的に設立されました。医療現場から在宅に至るまで安全で安心な切れ目ない看護を提供するためには、現場における問題解決に向けて活動できることやそれを正しく評価できる看護必要度の研修を中心にスタートしました。その翌年から実務者としてのマネジメント力を身に付けることができるようにＭ（マインド）-S（スキル）-T（ツール）メゾッド・マネジメントスキルワークショップ研修を加え、看護管理者のみならず広く病院関係者と企業における仕事力の向上や組織と個人の成長を目指した研修活動を展開し今日に至っています。

　この間、平成26年の「医療・介護の一体改革のための関係法律の整備に関する法律」や平成27年の「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康法等の一部を改正する法律」等医療改革が急速に進められている背景には「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年問題を間近に控えていることが要因として考えられます。医療・介護はサービスやケアを提供するシステムとその費用の調達となる財政政策の両輪で動いている為、人口減少・高齢化が加速する我が国は、医療・介護を受ける高齢者の増加とその費用の増大は避けらない中、平成29年度からの消費税10％引き上げの延期等も加わり、これまでの提供システムでは財政不足に陥ることが明らかです。そのため平成30年度に向けて、第7次医療計画の策定や国民健康保険法の改正、医療費の適正化計画の策定、市町村では介護事業計画の策定や地域包括ケアの推進等、診療報酬・介護報酬のダブル改定が予定されています。　まさに今年はその布石の1年であり、看護管理者として医療政策の動向や行政の動きを注目し、一歩先の工夫や提案できる知識や戦略が必要です。また、海外の社会情勢も、EUからのイギリスの離脱、アメリカのトランプ大統領の誕生、韓国の政情不安や中東諸国の内戦など、欧米諸国の社会保障政策の変化や政治問題も管理者としては見逃すことができない情勢です。

本大会では、このような社会・医療・介護保障制度の大改革期を現場の皆さんと共に考えるチャンスとなるように、難解な内容を簡単にひも解けるようなプログラムを作成しました。
10:40からの特別講演は　現政策研究大学院大学の島崎謙治教授
「平成30年度の診療報酬・介護報酬改定・新国民健康保険法の改正をひも解く
－制度改革に関する国の動きと看護管理者としての準備－」　
医療政策の理論と実務に精通し、筒井孝子先生ともご一緒に厚生労働省で医療政策を検討され介護、医療政策の基本的な内容を含め考える講演をお願いしました。

昼食時間には、会員総会を開催し、事業及び決算報告と２９年度の事業計画と予算案を報告します。
14:10からは、ポスターセッション臨床における「重症度、医療、看護必要度」の活用と評価、マネジメントスキルアップ・ワークショップ研修を取り入れた、看護部の変化や個人の成果等の現場で取り組んだ改革を皆さんの現場のヒントにしていただければ幸いです。
15:10からは、教育セミナー・教育講演と続きます。
教育セミナーは、当学会講師の高田誠先生による「組織に価値を生み出すためのマネジメント」、
教育講演Ⅰは、田中彰子先生による「医療機能分化の鍵となる重症度、医療、看護必要度と看護記録のポイント」、
教育講演Ⅱは、嶋森好子先生による「平成28年度の改定を踏まえて、30年度の同時改訂までに備えること」を予定しています。
臨床における看護マネジメントに直結する内容となっています、会員以外の方々もお誘い合わせの上、是非たくさんのご参加をお願いします。当日お会いできること役員一同楽しみにお待ちしております。

平成29年1月

日本臨床看護マネジメント学会

学術研究大会　大会長　山元恵子

　　　　　　　　平成29年度　第8回　日本臨床看護マネジメント学会学術研究会
　　　　　　　　　　　テーマ：一歩先を見すえた臨床看護マネジメント
　　　　　　　　　　　日時：平成29年2月19日（日）10時30分～16時30分
　　　　　　　　　　　場所：東京都看護協会　２階サークル室
　　　　　　　　　　　参加費：事前登録　会員　4,000円　非会員　7,000円
　　　　　　　　　　　　　　　　当日　会員　5,000円　　非会員　8,000円

プログラム

10:30～10:35　オリエンテーション

（総合司会　瀬下律子　　当学会理事・やさしい手　管理本部　総合サポート部　部長）

10:35～10:40　開会挨拶
嶋森好子（当学会　理事長・岩手医科大学　教授）

10:40～12:00　特別講演　
平成30年度の診療報酬・介護報酬改定・新国民健康保険法の改正をひも解く
－制度改革に関する国の動きと看護管理者としての準備－
講師：島崎謙治　　政策研究大学院大学　教授
（元厚生省児童手当管理室長・保険課長・国立社会保障・人口問題研究所副所長）
座長：山元恵子  当学会　理事・東京都看護協会　会長

12:00～13:00　会員総会
昼食　　　　　　　❖ハープの生演奏があります❖

13:00～14:00　ポスターセッション
座長：武井純子  当学会　理事・社会医療法人社団慈泉会　相澤東病院　看護部　部長

14:10～15:10　教育セミナー
組織に価値を生み出すマネジメント
講師：高田　誠　　　株式会社オーセンティック代表取締役社長
座長：柏木とき江　　当学会　理事・元　訪問看護ステーションTERMS

15:20～15:50　教育講演Ⅰ
医療機能分化の鍵となる「重症度、医療・看護必要度」と看護記録のポイント
講師：田中彰子　　当学会　理事・横浜創英大学　教授
座長：木村眞子　　当学会　理事・北海道文教大学　准教授

15:50～16:20　教育講演Ⅱ
平成28年度改定を踏まえて、30年度の同時改定までに備えておくこと
講師：嶋森好子　　当学会　理事長・岩手医科大学　教授
座長：木村眞子　　当学会　理事・北海道文教大学　准教授

16:20～16:30　閉会挨拶
山元恵子  当学会　理事・東京都看護協会　会長

協賛：ニプロ株式会社、東洋羽毛株式会社

※　事務局よりご連絡をさせて頂く場合がございますので、連絡のつく電話番号やメールアドレス、住所の入力をお願いいたします。

これまでの学術研究会については、過去の学術研究会をご覧ください。